1.はじめに
(1)妻によるDVの急増
奥さんからのDVに苦しんでいるのは貴方だけではありません。
警察庁の統計(「令和2年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について」)によれば、配偶者からの暴力事案における被害者が男性である割合は、令和2年については23.6%で、実に19,478件です。なお、平成26年においては、5971件でした。6年間で3倍となっているわけですが、これは、従前も同じような妻によるDVは存在していたにもかかわらず男性側がこれを誰にも相談できずに抱え込んで我慢していたため、警察庁も把握できていなかったからだと推察されます。
(2)あなただけではないので、独りで悩まないでください
もしかして貴方は以下のように考えて我慢していませんか?
- 暴力を振るわれる原因は自分にあるから自分が悪い
- 自分さえ我慢すれば周りは困らない(子どもは大丈夫だ)
- もはや暴力を受けることに馴れてしまった
- 男なのに妻に暴力を振るわれているなんて恥ずかしいことだ
私は、以上の考えは、全て誤りだ、と考えています。
暴力(言葉の暴力を含む)は絶対的に許されません。何か原因があっても、それは暴力で解決すべきではありません。女性から男性の暴力の場合、体力的な差から大きな怪我を負いにくいから我慢すればよい、と思いがちですが、凶器を使われたら簡単に大けがを負います。仮に暴力を振るわれる原因があるのなら、それは改善すべきですが、暴力を我慢することとご自身の欠点を改善することは全く別のことであり、何らの関係もありません。そして、子どもは、暴力行為を目の辺りして育つと心に大きな傷を負い、大きなトラウマとなりますので、この点からも「我慢する」ことはお子様にとってもよくありません。
そして、何よりも、あなたの尊厳が損なわれます。物理的な暴力の場合、小さな怪我であればすぐに治るでしょうし、完治もします。しかし、心の傷は、一生完治しません。物理的な暴力を受けたという屈辱や言葉による暴力の心の傷は、一生残ります。出血してできたカサブタがいずれ綺麗に治るようには治りません。そして、ダメージが蓄積すると、心が破壊されてしまい、取り返しがつかなくなりますので、ずっと独りで耐えるべきではありません。
だから、相談することは決して恥ずかしいことではありません。
2.妻によるDV・モラハラのパターン
(1)物理的DV
身体に対する暴力をさします。物を投げるといった行為も含みます。
(2)精神的DV・モラハラ
- 罵声を浴びせる
- バカにする
- 無視する
- 見くだした態度をとり続ける
- 子どもに夫の悪口を言い続け洗脳する
- 自分の行動は全て正しいと言い張る
- 行動を支配する(会社からの帰宅時間を勝手に決めて遅れると激怒する等)
3.妻によるDV・モラハラの証拠
録音、LINE、メール、自分で書いた日記やメモ、診療内科の診断書などが証拠となりえます。